シチリア島トラーパニ在住でシチリア料理・菓子・スペシャリストの佐藤礼子さんから、シチリアの暮らしと食、とっておきレシピをお届けします。

★前回のシチリアからの風はこちらから。

シチリアに本格的な夏がやってくる7月!
6月までは街ものんびり…といった感じのトラーパニですが、7月になるとヨーロッパ全土から美しい海を求めてバカンスにやってくる人々でかなり賑わってきます。
ヨーロッパの人達は2週間くらいバカンスを楽しむのが夏の恒例!
トラーパニは私がここに来た年2005年にルイヴィトンカップ(世界的に有名なヨットレース)が開催されたのを機に、一気に観光ブームに火がつき、ここ10年でバカンスにやってくる人の数が格段に増えました。
そこで今回はトラーパニの魅力を皆さんにもご紹介したいと思います。

街のすぐ横には美しい海!手頃なサイズの街はまるでテーマパーク!

街のすぐ横にこんなきれいな海

トラーパニの魅力はなんといっても街のすぐ横に美しいビーチがあること!
美しい大自然が広がるシチリアですが、公共の交通機関が不便なのが難点。
でも街の横に美しい海があれば、バスや電車で移動しなくても、レンタカーを借りなくても、のんびりとバカンスを楽しむことができます。
実際、多くのヨーロッパ人は空港からバスで街にやってきて1~2週間の長期で滞在。
必要な時だけレンタカーを借りる…という人が多いようです。
トラーパニは北側の海岸線には砂浜が広がっていて、ここにはLIDO(リド)と呼ばれる海の家のようなものもあります。
一方、トラーパニの西の端(半島のようになっているトラーパニの街の先端部分)には岩場の海水浴場。
砂浜も岩場も浅瀬なので、子供がいても安心して海水浴を楽しむことができます。

旧市街のバールで一休み

そして、トラーパニの旧市街は徒歩でまわることができるお手頃サイズなのも嬉しい!
きれいに修復された16世紀頃のバロックの建物に囲まれ、まるでテーマパークにいるような錯覚にさえ陥りますが、全てが本物。
ひとつひとつの建物にはきちんと歴史があり、ヨーロッパの歴史の古さを感じます。
旧市街のメインストリートは歩行者天国となっているので、古い建物をゆっくりと眺めながら散歩したり、バールに入って外のテラスでカッフェを飲みながら休憩したり。
大都市とは違い、のんびりとした雰囲気でバカンスを楽しむことができます。

キッチン付きアパルタメントで料理を楽しもう!

キッチン付きアパルタメント

そんな魅力たっぷりのトラーパニは、この街に暮らしているようにバカンスを楽しめるよう、長期滞在型のキッチン付きアパルタメントがたくさんあります。
ソファーベッドがあるリビングキッチン、それに寝室が1~2つと、合計4人まで滞在できるタイプが一般的ですが、2人用のミニアパルタメント、ベッドルームが2つある大人数用など、タイプは色々。
以前、トラーパニの街で出会った北欧からきた家族のマンマは、「シチリアの力強い味の食材で料理を作るのもバカンスの楽しみのひとつなの!北欧にはこんな食材ないから。家族もみんな楽しみにしているわ!」と言っていました。
シチリアは大地、そして太陽の恵みに溢れた島。
ここで育つ野菜や果物は自然の恵みがギュッ!と凝縮され、とっても濃い味。
そんな食材達を楽しむのもバカンスの楽しみのひとつ!
街中の小さな食材店では、色濃い野菜や果物を手に取りながら楽しそうにショッピングする人達をたくさんみかけます。

旧市街のミニスーパーマーケット

最近は週1回、土曜日に郊外で開催されるファーマーズマーケットもバカンスに来た人で大盛り上がり!
その日に料理する食材を買いながら、はちみつ、オリーブ、オレガノ、ケッパーなど、お持ち帰り用のシチリア食材もショッピング。

美しい海、美しい街、そしておいしい食事が全て歩いて行ける距離でのんびりと楽しめる…
それがトラーパニの魅力なのです!

トラーパニ近郊は史跡の宝庫!

トラーパニのもう1つの大きな魅力はトラーパニを基点に多くの観光地が点在しているところ。
シチリアは、歴史上、多くの民族が足跡を残していった島。
それだけ重要な拠点であったと言えるでしょう。
トラーパニ近郊は、フェニキュア人、ギリシャ人、ローマ人、アラブ人、ノルマン人等が残していった史跡の宝庫。
中でも私が大好きな街や遺跡をご紹介します。

セジェスタ ギリシャ神殿

ギリシャ遺跡 セジェスタ
ギリシャ人が紀元前5世紀に建てたと言われる、ギリシャ神殿とギリシャ劇場。
標高431mの山頂に作られたこの地域には、かつて街がありました。
コンピューターもない時代にどうやってこんなに巨大な建造物を築く事ができたのか…ただただ、不思議に思うばかりです。
2000年以上の時を超えた神殿や劇場を見ながらその時代にタイムスリップ!
雄大な景色を臨むギリシャ劇場は、夏季には現在もオペラコンサートで使われています。

モツィア島 遺跡部分

カルタゴの遺跡 モツィア島
トラーパニから南下すること約25km。
古代製法で作られる塩田の近くには島まるごとがカルタゴ遺跡という小さな島モツィアがあります。
カルタゴは現在のチュニジアに作られた古代都市国家。
とても優れた海洋術で地中海の覇権を握ったカルタゴの基地だったモツィア島は紀元前8世紀ごろに建設されました。
現在でも地中海の歴史を紐解く重要な遺跡とされています。

城壁に囲まれたエリチェ

山岳民族が作った山の上の街 エリチェ
標高750mのエリチェ山頂に作られた石畳の美しい中世の街。
街のどこを切り抜いても絵になる、とてもフォトジェニックな街です。
どこまでも続く美しい石畳、そして山頂から臨む息を飲むほどの絶景は、シチリアに来たならば必見。
修道院のお菓子が有名な街でもあり、私がトラーパニに住むきっかけとなった想い出の街でもあります。

全てがモザイクで覆われたパラティーナ礼拝堂

アラブ・ノルマン様式の宝庫! パレルモ
シチリアに大きな影響を及ぼしたアラブ人の足跡が色濃く残る街、パレルモ。
2015年にはアラブ・ノルマン様式の建物が世界遺産として登録されました。
ゲーテが「イスラムで一番美しい街」とかつて称賛されたパレルモですが、現在は修復が行き届かず廃墟となっている建物も多く。
過去の栄光と現在の姿のコントラストが非常に興味深い街でもあります。

その他にも、見どころがたくさんあるトラーパニ近郊。
ちょっと足をのばして、タイムスリップの旅に出かけましょう!

美しい海を求めてファビニャーナ島へ

カーラ ロッサ

トラーパニの港から高速翼船に乗ること30分。
ファビニャーナ島はトラーパニから気軽に日帰りで行ける離島です。
そしてこの島には夢のように美しい海があるのです!
ファビニャーナ島でのおススメはシチリアの風を全身で感じることができるサイクリング!
海辺を走り、田舎道を走り…見えてくるのが「Cala Rossa(カーラ ロッサ)」という美しい入り江。
カーラ ロッサとは「赤い入り江」という意味。
紀元前にこの入り江でローマ軍とカルタゴ軍が戦い、こんなに美しい入り江が血の海となったことから名付けられました。
悲しい歴史があったこの入り江ですが、海の色はまるで夢を見ているかのように青く透き通り。
初めてこの海を見た時の感動は今でも忘れられません。
サイクリングで島をぐるりと回った後は、島の中心地でジェラートやグラニータを食べるのが楽しみ!
小さな島なので1日に何度も同じ島民と顔を合わせ、1日で顔見知りになれるところも魅力。
バカンスの気分を満喫することができる島です。

美味しい海の幸も楽しめます

サイクリングの後のグラニータは美味しい!

今回は食から少し離れた観光情報をお届けしましたが、シチリアは食、歴史、文化、建築と様々な角度から楽しむことができる島。
ここに住み始めて12年経った今もまだまだ色褪せることのない、とっても魅力的な島なのです。

夏野菜とお米のサラダ レモン風味

参考:ポッカサッポロレシピ
https://www.pokkasapporo-fb.jp/recipes/detail-1902.html

今月ご紹介する料理は、「夏野菜とお米のサラダ レモン風味」。
シチリア人が海に持っていくランチの代表格です。
暑い暑い太陽の下でも、レモンの風味でさっぱりと食べることができる一皿です。

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この記事を書いた人

佐藤礼子(Reiko Sato)

ラ ターボラ シチリアーナ主宰。シチリア島トラーパニ在住。シチリア料理・菓子 スペシャリスト。イタリア料理・菓子の知識を生かし、大手企業で洋菓子の商品開発、カフェの店舗企画に従事。2004年、シチリア(イタリア)食文化を学ぶため、イタリアに渡り、現地にてシチリア郷土菓子や家庭料理を研究しながら、食に関するコーディネートや通訳などで活躍しています。
「ポッカレモン有機 シチリア産ストレート果汁」を使ったレシピを監修していただいています。

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