この時期おすすめのレモンスイーツ♪#3｜THE APOLLO（アポロ）のレモンパイ（東京都・中央区銀座 ）

長く続いた猛暑もおさまり、朝夕の風に少しずつ秋の気配を感じられるようになってきました。秋が深まるにつれて食べたくなるのが、濃厚なスイーツ。特にレモンを使ったものなら、コクのある甘みと爽やかな酸味が同時に味わえて、いくらでも食べられちゃいますね。

今回、スイーツ王子 Ruiさんが教えてくれたのは、銀座にあるギリシャ料理の名店「THE APOLLO」のスイーツ。とんがり帽子のような、モスクの屋根のような、不思議な物体が乗っているスイーツの正体は…なんとレモンパイ！
Ruiさんが「こんなに面白いレモンパイは食べたことがない」と絶賛するスイーツの秘密にせまります。

モダンギリシャ料理のシェフがつくるレモンスイーツ

Ruiさんが案内してくれたのは、銀座の名所として定着した感のある「東急プラザ銀座」。その11階にTHE APOLLOは店を構えています。
THE APOLLOが得意とするのは、新鮮な魚介類や野菜、オリーブオイルをふんだんに使ったモダンなギリシャ料理。「ケファログラヴィエラチーズ」というギリシャのチーズをこんがりと焼いた「サガナキチーズ」や、オリーブ・キュウリ・トマト・フェタチーズを乗せた「グリークサラダ」、魚介のグリルなど数多くのメニューが評判を博しています。
本店はオーストラリアのシドニーにあり、ギリシャ系オーストラリア人であるオーナーとオーナーシェフの2人によってオープンしました。2012年の開店から「オーストラリアホットレストラン50」を3年連続受賞するという超人気店。日本には2016年春に初上陸し、ここ銀座店だけで本店と変わらぬ味を楽しめます。

店内は銀座らしい、シックな雰囲気。昼間は大きなガラス窓から陽光が降り注ぎ、夜は一転して銀座の夜景を眺められます。座る席によって皇居周辺や銀座の街並みなど、見られる景色が違うのもポイント！

「さわやかな雰囲気のランチに、ムーディーなディナー。おいしいお料理と素晴らしい景色。どの時間帯に来ても、何を食べても幸せになれるお店だと思います」（Ruiさん）

さて、そんなTHE APOLLOのレモンパイですが、正式名称は「〝レモンパイ〟 アポロスタイル」。

「“アポロスタイル”というだけあって、レシピが独創的なんです。まず、レモンパイの上に乗っているモコモコした物体はメレンゲ。その下には細かく砕いたビスケットで作られたクランブルとレモンクリームが層をなしています。普通はレモンパイというと、パイ生地にレモンクリームを流し込んで作るだけ。こんなに面白くて、フォトジェニックなレモンパイは見たことがありません！」（Ruiさん）

素材の持ち味をいかしつつ 丁寧に作られるレモンパイ

では、せっかくなので「〝レモンパイ〟 アポロスタイル」の作り方を見せてもらっちゃいましょう！

お皿にレモンクリームと、細かく砕いたビスケット生地を丸く盛りつけます。そして、その上にメレンゲを絞り出していきます。

「レモンクリームにはレモン果汁だけでなく、バニラもたっぷり入れているので、甘みと酸味の両方が味わえます。クランブルにはギリシャ料理に欠かせないオリーブオイルを入れ、コクと風味をプラス。メレンゲは卵白をハンドミキサーの低速で泡立てて、なめらかで、きめが細かくなるようにしています。丁寧に泡立てるので、メレンゲが完成するまでに25分ぐらいかかるんですよ」（スタッフ・佐藤 圭吾さん）

真っ白でつややかなメレンゲを、レモンクリームとクランブルの上に絞り出したら…次に取り出したのは、ガスバーナー！メレンゲの表面を軽くあぶり、焼き色をつけていきます。

「メレンゲのきめが細かいので、焼き色がきれいにつくんです。レモンパイはスイーツメニューの中でも人気で、頼まれるお客さまが多いですね」（スタッフ・佐藤 圭吾さん）

それではお待ちかね、できたてのレモンパイをいただきます！

まずはふわふわのメレンゲをナイフとフォークで切り分け、口へ。
「めちゃくちゃ、おいしい」と、Ruiさんから笑みがこぼれます。

「しっとりしたメレンゲは軽い口どけ。メレンゲにはレモンが入っていないので、優しい甘さです。そしてザクザクとした食感のクランブルと、しっかりした酸味と甘さのあるレモンクリームを食べると、すべてが口の中で溶け合って、レモンパイが完成するんです。見た目もユニークなら、この味わいも斬新。初めて食べた時は見た目に驚き、“何だ、このレモンパイは!?”と、すごくテンションが上がりました」（Ruiさん）

Ruiさんいわく、フレンチやイタリアンはソースやクリームを足していく、「足し算の料理」。ギリシャ料理や日本料理は素材をいかす、「引き算の料理」。このレモンパイもシンプルでありながら、それぞれの食材の良さを最大限に引き出しているんですね。

スイーツ王子というだけあって、“1日に少なくとも4品”はスイーツを食すというRuiさん。今までにさまざまなメニューを味わってきましたが、「〝レモンパイ〟 アポロスタイル」を食べて、「レモンパイの概念が崩れた」といいます。

「僕にとって“食”は絶対的に価値のあるもの。日々、真剣にいろんなスイーツと向き合っていますが、THE APOLLOのレモンパイは別次元のものでした。メレンゲ、クランブル、レモンクリームと順番に食べて、口の中でレモンパイが完成するという過程も楽しい。みなさんもぜひ、味わってみてくださいね！ティータイムはもちろん、食感が軽いのでディナーの後でもペロッと完食できちゃいますよ」（Ruiさん）

取材ご協力